2015年1月8日木曜日

藤沢数希死ね

2015-1-8

FlashBoys

マイケル・ルイスの書いた"FlashBoys"を読んでみた。英語版は去年の頭に出版されてかなり話題になった。一方で日本語版は去年の10月頃に発売された。別に英語でも読めなくはないが、面倒なので日本語版を購入。ハードカバー版はリーズナブルな価格設定だった。

翻訳に関してだが、原文と比較していないので何とも言えないが、不自然な日本語になっている部分もないし、読みやすかった。ただ、一つ気になったのが、Chi-Xとかいう市場のことをチャイ-エックスと訳していたことだ。しかし、Wikipediaを調べて見ると、Chiはギリシャ文字の\(\ \chi\ \)のことなので読み方はカイ-エックスになるべきだろう。しかしながら、日本法人の名前はチャイ-エックスだった。意味不明だ。

肝心の内容だが、なんだかウォール街の人たちの内輪もめという感じに終始していたのであまり興味の引かれる内容ではなかった。乱暴に要約すると次の通り。

カナダ何たら銀行に勤めるカナダ人トレーダー、ブラッド・カツヤマ氏は最近市場での取引が上手くいかなくて困ってる。
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調べたら、超高速トレード(High Frequency Trade)とかいうのをやってる連中がいるようだ。こいつらのせいで金が儲かんねえ!ムカツク!
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むかついたから、なんとかしてフラッシュトレーダーの手を防ぐソフトを開発してみた!
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さらにフラッシュトレーダーの戦略を無効にする様な取引所をつくったよ!

本の中身では超高速トレーダーが完全な悪者として描かれる。HFTをやってる連中はオタクで、高慢ちきで、キチガイで…といった具合だ。一方で、そんな悪者に立ち向かうブラッド・カツヤマとその一行は勇者の如く神格化されて描かれる。彼らはすごい!賢い!偉い!かっこいい!みたいな。

しかし、ブラッド・カツヤマらの行動だってビジネスに基づいたものだったろうし、ものになると踏んだからこそ取引所を開いたのだろうと私は感じた。本の中では彼らが正義感をたぎらせて、突っ走っていく姿が描かれているが、私には欺瞞としか思えなかった。もちろん、彼らのした事を非難しているのではない。すこし美化しすぎなのではないかと思っただけだ。

個人的にはHFTが社会に与える広範な影響を描いてほしかった。HFTは流動性を市場に供給ウンチャラチャラと主張する人がいる一方で、いつか酷い混乱を引き起こすナリ!と主張する人がいる。本文でも軽く触れられているが、「フラッシュ・クラッシュ」なる大暴落が過去に何度か起きており、それがHFTのせいだとかいうらしいのだ。勿論、どちらが正しいかなんて私には分からない。だからこそ、その辺の話をきっちりやってほしかったのだ。もう少しアカデミックなものでないとその辺りの話はわからないのだろうか。

藤沢数希とかいう詐欺師

あと全然関係ないけど、フラッシュボーイズを買うために大学の生協に行ったときに近くに置いてあった外資系金融の終わりとかいう挑戦的なタイトルの本があって、すこし気になったのでぱらぱらめくってみた。著者は藤沢数希なる人物で、応用物理で博士号を持っているらしかった。

ちょっと気になったので、件の人物について少しネットで検索してみた。まず名前をGoogleScholarなんかで検索しても全くヒットしない。まず、ここで偽名を使っているとわかる。
他にも、ネットで幾つか記事を書いているようなのでちらちら見てみたが、まず確実に学歴は詐称であるとわかる。おそらく修士号すら持っていないだろう。私は彼の人物のことを調べるのに90分くらい使った。いまもこの記事を書くのに10分くらい使っている。他の人には無駄な時間を使ってほしくないので、忠告しておくけど彼の本は買わないように。金をどぶに捨てたほうがマシだ。
cf:http://blogos.com/article/82685/
とりあえず上記の、アゴラとかいう糞サイトでの彼による糞記事をみれば、わかってもらえると思います。他にも糞記事を量産しているからクソースはいくらでもあるけど、時間の無駄だから紹介しませんし、皆さんも見ないでください。彼は十中八九詐欺師です。こんな糞に構っている時間は人生の無駄です。