統計学や確率論を知っている人なら中心極限定理(CentralLimitTheorem)を知っているだろう。
古典的なCLTは次の様な、$i.i.d$のケースであろう
Suppose that $\ \mathbb{E}[X] \ = \ 0 \ $ and $\ \mathbb{E}[X^2] \ = \ 1 \ $. Then \begin{align} \frac{1}{\sqrt{n}}\sum_{i=1}^n X_i \xrightarrow{d} \mathcal{N}(0,\ 1) \quad \text{as} \quad n \to \infty \end{align} holds
Tailの振る舞いに条件をつける。 \[ \text{(LC)} \quad \sum_{k=1}^{k_n}\mathbb{E}\large[(\xi_k^n)^2\large1_{\{|\xi_k^n|>\epsilon\}} \large] \ \xrightarrow[n \to \infty] \ 0 \quad \text{for every} \quad \epsilon > 0 \] これに、エネルギーの条件を加える。 \[ \text{(E)} \quad \sum_k^{k_n}\mathbb{E}\large[ (\xi_k^n)^2 \large] = 1 \quad \text{for all} \quad n \ge 1 \]
If Triangular Array $\{\ \xi_k^{n}\ \}_{k=1}^{k_n}, \ n\ge1 $ satisfies the condition (E) and (LC), then \begin{align} \sum_{k=1}^{k_n} \xi_k^n \xrightarrow{d} \mathcal{N}(0, \ 1) \end{align}
最初の定理の仮定は、(E)と(LC)を満たすとすぐにわかるであろう。 しかし、この場合もまだ独立性という非常に強い仮定の下にしか収束が言えていない。
そこで、Martingale CLT が出てくる。
上の、条件(E), (LC)を Conditional Expectation で弱めたとしても、成り立つという定理である。 \[ \text{(CLC)} \quad \sum_{k=1}^{k_n}\mathbb{E}\large[(x_k^n)^2\large1_{\{|x_k^n|>\epsilon\} } |\mathscr{F}_{k-1}^n \large] \ \xrightarrow[n \to \infty]{p} \ 0 \quad \text{for every} \quad \epsilon > 0 \] \[ \text{(CE)} \quad \sum_{k=1}^{k_n}\mathbb{E}\large[ (x_k^n)^2 |\mathscr{F}_{k-1}^n\large] \xrightarrow[n \to \infty]{p} 1 \quad \] 定理のステートメントはなるべく正確に書く。
$(\Omega, \mathscr{F}, P)$ が$n$毎に変化してもよいが、簡単化の為に全て共通とする。
$\ \{\ \xi_k^{n}\ \}_{k=1}^{k_n}, \ n\ge1 $ be Martingale Triangular Array(MTA) i.e.
$\xi_k^n \ $ is $\ \mathscr{F}_k^n $ m'ble and $\ \mathbb{E}[\ x_k^n \ | \ \mathscr{F}_{k-1}^n ] = 0$.
If MTA $\{\ \xi_k^{n}\ \}_{k=1}^{k_n}, \ n\ge1 $ satisfies conditions (CE) and (CLC), then \begin{align} \sum_{k=1}^{k_n} \xi_k^n \xrightarrow[n \to \infty]{d} \mathcal{N}(0, \ 1) \end{align}
原論文の証明はかなりテクニカルなので詳細は省く。本質的には古典的なCLTの証明と変わらないと思う。
一方でそんな都合のよい$ \{\ \zeta_k^n \ \} $ がみつかるのかと言うと、もとの奴らを適当にカットオフしてやると上手くいく。
それがこの証明の面白い所だ。 \[ V^n_k := \sum_{i=1}^k \mathbb{E}\large[ (\xi_i^n)^2 |\mathscr{F}_{k-1}^n \large],\quad 1 \le k \le k_n \quad \] $c > 1 \ $を任意にとり、$\ \zeta_k^n := x^n_k1_{\{ V_k^n \le c \}} \ $とおく。
そうすると、これが求めるMTAになっている。つまり、
- $\{\zeta_k^n\}_{1\le k \le k_n}, n\ge 1$ はMTAである
- 条件(CE)'を満たす
- 同様に、条件(LCL)も満たす。
ちなみに筆者は統計を専攻しているわけでもなんでもない素人なので注意。
B.M.Brownによる原論文は短く簡潔なので、すぐに読める。 Margingale CLTに関するSurveyもあるが、有料。Springerと契約していれば無料。 色々調べている中で読んだこれは間違いだらけなきがします。違いましたらコメントで教えてください。
MathJaxを使って数学の記事を公開するのは初めてだったので、かなり時間がかかってしまった。
自分の効率の悪さで死にたくなってしまった。もっと素早く書く方法はないだろうか…。
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